【イベントレポート】 星空いっぱいの里山で みんなでキャンプしよう!
2019年03月28日
2018年度たかしまの森へ行こう!プロジェクト 開催報告
第1回勉強会(2018年8月11日~8月12日)
第1回勉強会(2018年8月11日~8月12日)
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「星空いっぱいの里山で みんなでキャンプしよう!」
「命にかかわる危険な猛暑」の中での企画。「参加します!」と真っ先に手を挙げ、早くから寝袋やマットを確認し着替えや小物をバッグに詰め込み準備。しかし厳しい暑さは続く。熱中症になって迷惑をかけないだろうか、行けるか行けないか、毎日気持ちは揺れ動いたが参加した。
会場の今津町椋川は福井県へ流れる北川の最上部に位置する。人口約40人。毎年11月に手づくり収穫祭「おっきん椋川」が開催され、集落全体が優しい色に染まる。その日は車の進入は禁止。茅葺屋根の農家の軒先は一日限りのお店で賑わい、徒歩や巡回の車で集落内を見て回る。かつてこの地域ではすべての家で木炭を生産し集落営農に取組んできた。集落全体の強固な助け合いの関係が今に引き継がれている。この山村にあるECC学園の校舎裏に、食事棟と休憩棟が完備された「やまのこ学園キャンプ場」はある。
当日参加の2名とスタッフを含めて総勢16名。子どもたちはそのうち6名。開会挨拶と「森へ行こう!プロジェクト」の趣旨説明。全員で自己紹介し、呼んでほしい名前を書いて名札を胸に貼った。私は「ふみちゃん」と書いた。
「マキノ高原観光」から無料貸与していただいた5張のテントを家族ごとに各自組み立てた。殺風景だったキャンプ場は一変。これから何が起きるのか興味津々。
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キャンプのメインは星空と夜の虫観察なので、まずは晩ご飯作り。調理器具一式と食器類をECC学園よりお借りし、全員で調理。メニューは「鹿肉カレーと野菜サラダ」。鹿肉は高島で捕獲し処理されたもの。ジャガイモ・ニンジン・タマネギ・ナス・カボチャ・ズッキーニなどたくさんの具材をサイコロ状に切る作業を子どもたちは嬉々として手伝っていた。ひとりのお父さんは大きなボールに2kgの鹿肉を入れトマトジュースを注ぎ込み素手で混ぜる。トマトジュースで臭みをとるそうだ。お仕事はシェフ?と思う手際よさ。4合炊き飯ごう5つをかまどの薪で炊き上げる。朝食用のナンは強力粉・薄力粉・ドライイースト等を混ぜて捏ねておく。やがて大きなテーブルに子どもたちは並んで座り「いただきます!」。私もいっしょに食べ始めた。大人たちは配膳を待ちガラムマサラの香辛料で辛味を試しながらいただくそばでね。
片付けを済ませて午後8時から懐中電灯を手にナイトハイクに出発。キャンプ場下の駐車場へ。暗闇のなか空には星がいっぱい。火星は赤く光っている。ネイチャーガイドの青木繁先生の星座の説明に引き込まれる。私は北斗七星をみつけるのが精一杯。
地上から足は離れ空に吸い込まれそうだ。
少し歩いて森の中へ。電気を消して草むらの虫の声を聞く。「道に迷ったら空を見上げるといいよ。空は明るいから」と先生。虫かごを持った子どもたちは先生が虫をみつけるたびに「見せて!」と歓声。背中にハートマークのあるエサキモンキツノカメムシを見つけると、子どもたちは先生の手元をのぞきこみ、大人は一斉に写真撮影だ。この虫は誰の虫かごに入ったのだろう。キャンプ場に引き返しながら見上げると空は雲に覆われて真っ暗。星の観察は間一髪だった。キャンプ場の奥に虫を寄せるために白布と白と青のライトが設置され、それぞれの灯りに寄ってくる虫の観察会が始まった。今夜はいっぱい虫を触ったね。子どもたちは夢の中でも虫を追いかけているのだろうな。
翌朝5時過ぎ、テントの外で子どもの足音が聞こえる。そっと覗くと祖父と孫の男の子は網を持って虫取りから帰ってくるところだった。希望者のみの早朝散歩はほぼ全員参加。椋川在住の是永宙さんの案内で、集落内をゆっくりおしゃべりしながら歩く。朝食は発酵させたナンを好きな形に整えてドラム缶窯でつぎつぎと焼く。ナンと目玉焼きとベーコンとレタスの朝食の美味しかったこと。昨夜のカレーの残りもみんなで平らげ、お母さんたちが残りご飯で握ったおにぎりもすべて誰かのお腹のなかに収まった。
テントを片付け、食器や調理器具を返却し帰り支度。各自の荷物は車に置いて、おっきん椋川交流館へ。途中、里山と共に暮らしてきた椋川の山や森に関するクイズラリーをしながら歩く。「集落から見える周辺の山はホトラ山と呼ばれていましたが、どんな山でしょうか?」答えは「田畑に入れる肥料やウシの飼料を取る山のこと」。子どもたちは積極的にクイズに参加していた。入母屋造茅葺農家の椋川交流館は冷房もないのに入るとひんやりする。是永さんから昔の農機具の説明や椋川の里山生活の話を聞く。屋根裏に上がって保存されているたくさんの茅の束を見る。木の梯子は急勾配で、平気な子もいるけれど、怖がる子もいて大騒ぎだ。こんな経験もきっといつまでも心の中に残るのだと思う。
後日、参加者のアンケートを見せていただいた。「この勉強会(キャンプ)はどうでしたか」に、全員「大変よかった」という回答。「自然とふれあい、高島市の地域の文化歴史を学ぶことができた」「シャワーがあったら、もっとたくさんの人にアピールしやすいと思う」「昔のものを見ることができてよかった」「他の家族と交流できて面白かったです」「小1の孫を連れて参加しましたが、大変喜んでいました。虫取りに熱中していました。夕食作りでも初めて包丁で野菜を切りました」「キャンプを子どもに体験させたくて参加、すごくよかったです。安心して参加できました。昆虫のことや椋川のこと、その他色々教えていただき勉強になり、子どもたちも良い経験ができて良かったです」
女の子は私を「ふみちゃん」と呼んで話しかけてくれた。男の子は捕まえた虫がどんなに素晴らしいか誇らしげに見せてくれた。大人も子どももみんな一生懸命でみんな夢中だ。なにより椋川の環境は素晴らしく、この里山体験の企画は猛暑で弱った体と心のリズムをリセットしてくれた。「森林資源活用プロジェクト」は「たかしまの森へ行こう!」と名前を変え暗中模索しながら継続中。地域の資源を再認識し上手に使うことをめざす。そのために「勉強会」という言葉を使っている。椋川にキャンプ場があった!と知ったことも新鮮な驚き。そこで出会った山や森は、私たちに丸ごと豊かな感動を与えてくれたことも嬉しい。
もし、そこに人ひとりだけ通る道があるなら、繰り返し歩いてみんなが利用できる道にしたいものだ。そう思いながら私は、微力だけれどこの勉強会にいつもワクワクしながら参加している。
報告 : 倉元史子 (新旭町在住/たかしまの森へ行こう!プロジェクト運営メンバー)
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