【9/9】たかしまの森へ行こう!2017 第2回勉強会~朽木雲洞谷のお母さんに、栃ノ実の話を聞きに行こう~開催報告

2017年10月06日

たかしま・未来・円卓会議2017
たかしまの森へ行こう!第2回勉強会

朽木雲洞谷のお母さんに、
栃ノ実の話を聞きに行こう

開催報告

【9/9】たかしまの森へ行こう!2017 第2回勉強会~朽木雲洞谷のお母さんに、栃ノ実の話を聞きに行こう~開催報告


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話題提供/朽木雲洞谷在住 山下露子氏
     巨木と水源の郷をまもる会 小松明美氏
     摂南大学講師 手代木功基氏

 日 時/9月9日(土)9:30~14:30(受付9:15 終了14:30)
 集 合/山村都市交流館源流の駅「山帰来」
      【高島市朽木中牧528】

イベントの案内はこちら。

たかしま市民協働交流センターでは、平成25年度より、さまざまな主体が協働で課題解決に取り組むまちづくりを目指し、「たかしま・未来・円卓会議」を開催しています。

これまでのたかしま・未来・円卓会議(森へ行こう!PJ)の報告はこちら。

そして、平成26年度「たかしま未来円卓会議」を通じて、今取り組むべき地域課題のひとつとして「放置された森林」があげられました。
そこで、「たかしまの森へ行こう!プロジェクト」では、課題となる森林を地域資源と捉え、様々な角度から森林にかかわる団体・企業・個人をネットワーク化しながら、様々な森林資源の活用について、体験型の勉強会を開催しながら、新しい森林の魅力に気付くきっかけづくりをしています。
たかしまの森へ行こう!ポータルサイトはこちら⇒https://www.takashima-mori-go.net/



今回のテーマは栃の実!
朽木の特産品と言えば、栃餅、鯖寿司、へしこがすぐに思い浮かびます。特に栃餅は森林を地域の人々が活用し、受け継がれてきました。
しかし、栃餅をつくる方の高齢化・栃の実の鹿の食害など聞かれる中、少しずつ栃餅を地域に残していくことが難しくなっています。
今回は、栃の実をとおして森林と私たちの持続可能な関係を考える機会にしたいと思いました。

午前中は生杉で栃の実拾いを通じて、巨木と水源の郷をまもる会の小松明美さんからお話をいただき、午後は、栃の実を今も実際に生活に取り入れて過ごされている山下さんにお話を伺いにいきました!また、栃の木の現状について、摂南大学で栃の木の研究をされている手代木功基さんからも、お話を聞かせていただきました。



朝9:30に朽木の山帰来に集合して、まずは栃の実拾い体験!
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栃の実拾いの場所は、栃の木とブナの木の原生林!
ここは県の公園指定場所でもあり、びわ湖淀川の源流でもある場所だそうです。谷間に木漏れ日が綺麗にさしており、とても神秘的な場所でした!



栃は鹿など山の動物にとっても貴重な食材です。既に食べられて殻だけになった実もありましたが、全員で手分けして拾ってこれだけ集まりました!
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栃の木は谷筋にはえる事が多いため、栃の実拾いは足場の悪い傾斜地で行うのですが、朽木では栃の実を加工している方が高齢化しています。高齢の方が、足場の悪い傾斜で、栃の実拾いを1人2人でやるととても大変です。
そこで、例年イベント形式で皆で拾うことで、栃の実の文化を伝えていきながら、無理なく継続・伝承していけるようにしたいと話されてました。



栃の実拾いが予定よりも早く終わりましたので、ブナの原生林を皆で歩いて見学しました。
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ブナの木は、今ではだいぶ数も減ったそうですが、それでもいたるところに大きなブナの木がありました。秋になると綺麗な紅葉景色になるそうです。
公園内はいつでも自由に歩くことができます。皆さんもぜひご覧になってください。


昼食は山帰来に戻りお弁当を食べた後、地元の野菜や手作り品を見てまわりました。
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地元の野菜の他にも、地域の木材を使った工芸品なども販売されていました。僕も木のマウスパットを買いました♪

午後からは雲洞谷へ移動して、講師の山下さんの家で栃の実の皮むき体験!
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栃の実を食べられるように加工するには、①虫取り ②天日干し ③水さらし(ふくらまし) ④皮むき ⑤水さらし ⑥加熱 ⑦灰合わせ(あく抜き)といった手順があります。
今回は、④皮むきの体験と、⑦灰合わせの見学をさせていただきました!


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栃の実の皮むきは「とちへし」と呼ばれる道具を使って、むいていきます。
木の端でこすりあわせるようにむくのですが、想像以上に難しい!
皆さん、最初はなかなか上手くいきません!山下さんや巨木と水源の郷をまもる会の皆さんいわく、皮むきと言っても、固い殻をむくので、殻を割るくらいに力を入れて思い切ってやることがポイントだそうです。


そして、コツをつかんでどんどん作業が早くなっていった皆さんのおかげもあり、すべての栃の実の皮がむき終わりました!
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栃の実の皮むきが終わったら、水さらし・加熱のあと、灰合せ(あく抜き)をします。
この時の灰の量が大事!栃の実をおいしく加工できるかどうかは、この灰で変わると話されました。
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栃の実はあくが本当に強く、これだけの灰を入れて、やっと栃の実のあくがぬけるんです。あく抜きなしだと、渋くてにがくてとてもじゃないけど食べられないそうです。

現在、この灰を集めるのに苦労されているそうです。
灰は、広葉樹の灰を使います。昔はどの家でも薪を使っていて、灰が地域にたくさんあったそうなのですが、今では薪を使う家庭も減っていて、灰が足りなくなっています。
薪ストーブなど使う方で広葉樹の灰があれば、灰を残して置いてほしいとのことでした。
「家に広葉樹の灰があるよ!」「家で定期的に広葉樹の灰ができる」という方は、ぜひご連絡ください。


たかしまの森へ行こう!プロジェクト 事務局(たかしま市民協働交流センター)
TEL:0740-20-5758 mail : webmaster@tkkc.takashima-shiga.jp
たかしまの森へ行こう!HP : https://www.takashima-mori-go.net/





山下さんは、栃餅をつくるお父さんの手伝いをし始めた27年ほど前から、栃の実の活用に取り組まれているとのこと。
最初は慣れないことでなかなか上手くいかなかったそうですが、今では生活の一部になって、自分の生きがいになり楽しくなっていると話されていました。


皮むきが一通り終えると、皆で栃餅を食べながら勉強です!
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①栃の木の巨木は朽木で400本近く認定されている
巨木とは、木の幹の周囲が3メートル以上の木の事を指します。
もともと関西で90本ほどしか確認されていませんでしたが、巨木と水源の郷をまもる会による朽木地域の巨木調査で390本以上の巨木を確認!そのほとんどが、川の近くの傾斜部分と最上流部分に生育していたそうです。


②栃の木(巨木)は川辺にはえてくると、研究で推測。
栃の木は、川の近くの水気のあるところにはえるそうです。しかし、川の本当に近くにはえるのではなく。川から5~10メートルほど離れたところにはえているのがポイント。もともとは、川のすぐ近くにもはえていたが、洪水等により流れてしまうことが多く、少し離れた場所の栃の木が残るのではないか?とのことでした。


③朽木の巨木は里山に生育する!
「巨木」と聞けば、人が入れないような奥山の奥に、生育しているイメージがありますが、朽木の栃の巨木は人々が利用する山林に生育しています。積極的な山林の利用により、栃の木は地域の人々に選ばれて、残されてきたそうです。
栃の巨木は、誰も立ち寄らない自然の中で育まれたのではなく、朽木の自然環境に支えられ、地域の人々との関わりや地域外との関係の中で生き続けている「文化的な遺産」なのです。
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今回の勉強会で感じたことは、森を活用するには、森に入ること!
朽木の巨木もそうですが、人が森(山林)に入ることではじめて活きてくることも多いのだと学びました!
~~これからも、たかしまの森へ行こう!では、森林の様々な活用をテーマに、
楽しく、そして学びある勉強会を開催していきたいと思います~~



以上、報告は三上でした。



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Posted by たかしま市民協働交流センター at 16:01 │たかしま・未来・円卓会議報告森林の多面的活用