報告!寄付を集めて活動を広げたい!共感と寄付を集める基礎講座(1日目)

2017年08月17日

 ちょっと時間が経ってしまいましたが、2017年2月9日、2月16日に開催しました「共感と寄付を集める基礎講座」の報告です。 

 市民活動を継続するために大切なことの一つは、活動を理解して共感してくれる人を一人でも多く増やしていくことです。
 共感して一緒に活動をする人、ボランティアとして特技や時間を活かして活動をサポートする人、お金の面でサポートをする人など、一人ひとりが活動に関わりやすいように工夫することが大切です。
 共感と寄付を集めるための基礎講座は毎年1回は実施したいと思っています。

 今年も講師は、高島市在住の認定ファンドレイザー 戸田由美さんにお願いし、1日目は市民活動にとって共感と寄付を集めるために必要な視点を講義とワークで学び、2日目は市内の市民活動団体の事例紹介と寄付の楽しさをご紹介いただきました。

 講座の案内はこちらをご覧ください。

 1日目は、共感と寄付を集めるファンドレイジングの基礎について学びながら、参加者がそれぞれの夢や団体のミッション、ビジョンなどを整理する時間を経験しました。

自分達の夢を話すことから、相手の行動を引き起こす
報告!寄付を集めて活動を広げたい!共感と寄付を集める基礎講座(1日目)
 ファンドレイジングとは寄付を集めることだけでなく、資金集め全体を指す言葉だそうです。
 寄付を集めること、会費や助成金を得ること、事業活動による収入、融資を受けること、資金を集める方法は幅広くあります。
 それぞれの資金にはメリットとデメリットがありますので、事業内容に合わせてバランスよく資金を集めることが大切だそうです。

市民活動にとってのファンドレイジングの意味とは、
「共感」 社会課題について知ってもらうこと
「解決策」 私たち(団体)の参加方法を提示すること
「支援」 あなたの参加方法を考えてもらうこと
「共感」×「解決策」=「支援」と表すことができます。 
「ファン度レイジング」、「フレンドレイジング」とも言われます。

支援の方法は、人によってさまざまあります。
・時間と労力の寄付とも考えられるボランティア。
・自分の持つスキルを活かすプロボノなど。
・企業などによる物の寄付。
・お金の寄付など。

 寄付とボランティアは相乗効果があるそうです。
 寄付白書によると、
 ボランティア活動をしている人は、ボランティア活動をしていない人よりも、寄付をしている人が多いそうです。
 もし、あなたの活動に寄付を集めたいと考えているなら、まずは身近なボランティアの方々に支援の依頼することが効果的なようです。

 さまざまな寄付の見せ方をご紹介いただきました。

熊本城復興支援「復興城主」
HPはこちらをご覧ください。(別ウインドウで開きます)
 寄付した方に「城主証」や観光施設や協賛店で特典が受けられる「城主手形」などが送られます。「城主」として特別感が味わえます。

かものはしプロジェクトでは、
 1日30円の寄付が1年間あれば、犯罪に対して的確に行動ができる2人の警察官を訓練できます。など、具体的な支援の効果が示されています。
HPはこちらをご覧ください。(別ウインドウで開きます)

ラブケーキプロジェクト(Love Cake Project)は、
 協賛したケーキ屋さんが、ワンカット分欠けたホールケーキを、通常のホールケーキと同じ値段で販売しています。ホールケーキから切り取ったワンカットはショートケーキとして販売し、その売上げが寄付される仕組みです。寄付はワールド・ビジョン・ジャパンの途上国の子どもたちの食糧支援にあてられます。
YouTubeでこのプロジェクトの紹介はこちらでご覧ください。(別ウインドウで開きます)

 ファンドレイジングは資金を集めるだけの視点で考えるのではなく、組織、事業、財源一体の成長の戦略を立て、資金集めをどうするのかを考えるものだそうです。
 
 ワークをとおして、自分が活動している団体の組織や資源などを整理していきました。
 
 まずは、団体のミッション、ビジョンを書き出して共有しました。
報告!寄付を集めて活動を広げたい!共感と寄付を集める基礎講座(1日目)

【ミッション】
あなたの団体は、どんな社会を実現したいのか。
【ビジョン】
ミッションを達成するための行動指針、具体的なありたい姿

 自分の団体についてあらためて、言葉で整理しながら考えていきました。

団体の資源や可能性をSWOT分析で書き出しました。
S:Strength(強み)
W:Weekness(弱み)
O:Opportunity(機会)
T:Threat(脅威)

SWOT分析から戦略を考えます。
「強み」を活かして「機会」を捉える=強化戦略
「強み」を活かして「脅威」を克服する=逆転戦略
「機会」を捉えて「弱み」を克服する=補充戦略
「機会」を捉えて「脅威」を回避=転化戦略

 活動する仲間とじっくり考えると効果的な気がします。

 ステイクホルダーピラミッドでは、潜在的な支援者を思い浮かべながら書き出しました。
 また、支援者をどうやって一段上のステップ(さらに強い応援者)に上がってもらうか、具体的に考える素材になったと思います。
 これも、個人でするのもいいですが、活動の仲間と一緒に考えるといい気がします。

チャルディーニの6つの心理学的要素が紹介されました。
○返報性:恩を受けると、お返ししなければならない気分になる
○コミットメントと一貫性:一度引き受けると次回から断りにくくなる
○社会的証明:多くの人がしていることは無批判に正しいと思ってしまう
○好意:相手に好意を示されると、頼みを引き受けてしまう
    また、友人の言うことは信用しやすい
○権威:権威のある人が言うことは信用しやすい
○希少性:手に入れにくいものは興奮を引き起こし、判断を鈍らせる

 なるほど、この心理的要素はとても身近な感じがしますね。

共感メッセージをつくるACTIONフレームワークを書き出しました。
A:Attention(注意) 団体の活動のキャッチを考えてみよう
C:Change(変化) 変化・改革のイメージを表そう
T:Trust(信頼) 数字や実績で表せているか、情報公開できているか
I:Imagination(想像) ストーリー性があり、想像しやすく伝えよう
O:Only one(唯一) オリジナル性
N:Network(つながり) 人、他団体とのつながり

 参加者同士で、ACTIONフレームワークを使って、支援を伝えあいました。

 最後に、大切にされている言葉についてお話いただきました。

 「耳に馴染みのいいきれいな言葉をサラサラ使わない。心動かす言葉を探すには、感情に訴え、経験、本音に触れる言葉を使おう。」
 「プラスチックワードに注意しよう。」
 「社会的起業は『言論戦』」

 共感を拡げるために、言葉を選び、相手に伝わる言葉で思い伝えていくことが大切だと感じました。
 市民活動について、言葉を探しながら、頭を使いながらの講座はあっと間の2時間でした。

報告は、たかしま市民協働交流センター 坂下でした。

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