報告!朽木の古い写真を使った世代をつなぐワークショップ体験会をしました。
2016年06月22日
朽木のみんなと円卓会議では、今年も世代をつなぐ場づくりに取り組みます。
今年度の取り組みについては、『朽木の「ゑびす顔で笑翁会」で「生活にかかる移動」についてお聞きしました』でご紹介しています。
子どもも若者も大人も一緒に、朽木のこれまで、今、これからを話すために、朽木の昔の写真を入り口にしたいと思いました。
「朽木村志」(発行:朽木村教育委員会)、「朽木村史」(発行:高島市)が作成されたときに、朽木の暮らしや村の様子を写した昔の写真がたくさん集められたそうです。
高島市所有の朽木の昔の写真を使って、さまざまな世代の方、地域の方、移住してこられた方などなどと昔の風景や暮らしや祭りを知り、現在に残っているもの、残っていないものに気づき、今の風景や暮らしをふりかえり、未来に残していきたいものやことについて考える機会を持ちたいと考えています。
6月14日の夜は、多くの人と体験する前に、運営メンバーや地域の方と一緒に体験会をして、どんなワークショップなのか、またどんな仕掛けをすると世代がつながりやすくなるのか、など意見を出し合う場を持つことにしました。
今回のワークを進めていただいた総合地球環境学研究所の鎌谷かおるさんです。
朽木に何度も来られて、古い写真が撮影された場所や年代を地域の70代以上の方にヒアリングし、情報を集めてこられました。
「古い写真は、その当時、撮影された人が残したいと思った風景や場面です。暮らしていた人の視点や今はもう見ることのできない当時の様子を見ることができます。私たちは、過去の経験を活かしながら生きています。過去を知ることから、未来を考える機会になればと思います。」と古い写真を使ったワークの目的をお話されました。
実際に地域のさまざまな人とワークショップをする時は、3回に分けて実施したいと考えています。
1回目は、比較的に誰もが見ても分かりやすい古写真を見て、今の同じような場所や場面の写真と比べ、朽木の中で変化したものについて話し合います。
2回目は、古写真の撮影された場所を実際に訪ね、写真を撮ってきます。その場所で感じたことなどを話し合います。
3回目は、今、朽木にあるものや風景で残したいと思うものの写真を撮ってきてもらいます。なぜそれを未来に伝えたいのかを話し合います。
さて、いよいよ写真を見て行きました。
約50年前の小学校の写真では、その小学校に通っておられた方から当時の学校や周囲の様子などをお聞きしました。
さらに古い、木造校舎だったときの写真も紹介されました。
旧郵便局の今の写真と昔の写真を比較したり、朽木支所の今の写真と昔の支所の写真を見たり、昔の診療所写真などもありました。当時の様子を知っている人は、懐かしい風景に話が広がっていました。
昭和28年の台風13号や昭和34年の伊勢湾台風で被害にあった朽木市場地域の写真などもありました。
次のワークは、グループに分かれて古い写真について、どこで、いつ頃、撮影されたのか、またどんなまちの様子だったのかを話し合いました。
昭和56年の国体があった頃の農協前の風景では、通りににぎやかな万国旗が飾られていました。
昭和50年代の丸八百貨店の近くの風景では、今は閉店されている時計店が写っています。
昭和38年の豪雪の風景は、今ではめったに見られないほどの積雪がありました。
昭和40年代の蔵が並ぶ風景の写真では、昔はホタルがたくさん飛んでいたというお話が出ていました。
昔の山神橋の写真を見ると、木造のとても細い橋で、車は通れなかったようです。大水で何度か流れたというお話でした。
60代の方にとっては、みなさん懐かしい写真に、当時の様子や「誰の家だね」「今はもう無いね」など話が出ていました。
私は、大津のまちなかで生まれ育ったので、朽木の風景を見ながら子どもの頃のまちの風景を思い出していました。考えると、40年くらいでずいぶん風景が変わってしまったな~と思います。
最後の写真は、もう無くなってしまったものの写真でした。
○マンガン鉱の採掘場所の写真でした。
昭和30年代まで盛んにマンガンの採掘が行われていたそうです。
マンガンはマンガン電池や合金の材料に使うそうですが、昭和25年頃が最盛期で、高島でもたくさん産出されていたそうです。京都や滋賀で産出されていたマンガンは量も多く、良質だったそうです。第二次世界大戦の頃は京都、滋賀辺りにも300箇所くらい採掘する場所があり、朽木では40箇所くらい古川、雲洞谷、木地原、岩瀬などにあったとのことです。
○安曇川で木材を流している写真では、筏で流している写真や川岸に大量の木材が積まれている写真がありました。
今と比べると安曇川の水量がかなり多いです。雪の量も多かったそうです。流れてくる木材を止める堰を設けて、木材を積み上げている写真もありました。大きな産業だったんですね。
○繊維を取るために麻を蒸している風景もありました。種まき、収穫、繊維を取るなどの作業は女性の仕事だったそうです。
○荒川分校の風景もたくさんありました。
雪の風景、子ども達が遊ぶ様子もありました。集合写真や遠足の写真では、そこに写っている人が参加者の中におられました。川で泳ぐ子どもたちの風景もありました。バットやミットを誇らしげに持っている子ども達の集合写真では、表情がとてもよかったです。
知っている顔を見つけて盛り上がってました。
体験会への感想など。
知っている写真なので、楽しかったが、中学生などは楽しめるのだろうか?という質問がありました。
中学生の場合は、今の写真から昔に遡るように見せていくそうです。
子どもたちに見せるのは、学校の行事など身近な写真がいいだろうという意見もありました。
今はデジカメで気楽にどこでも写真を撮りますが、昔は写真の現像やプリントも近くに店が無くてたいへんだったこともあり、1枚を撮る思いは、とても力が入っていと思います。学校行事や風景を残して来た人の思いが残っている気がしました。
また、20年前の写真でも、古写真と言えるそうです。中学生や小学生にとっては生まれる前の風景ですから。その頃の風景と今の風景との変化なども十分に古い写真のワークとして使えるそうです。
資料としては昭和60年代の写真が少ないそうです。この頃、ご家庭でも写真が撮られるようになり、それぞれの家にはあるそうですが、資料としてはあまり無いそうです。時代の変化をつなぐ写真を探しておられるとのことでした。
子どもたちにとっては、馴染みのない昔の写真ですが、昔の生活や行事を地域の人に話してもらい、子どもたちの心に少しでも記憶が残ることが必要と言われてました。
世代をつなぐための仕掛けとして、古い写真を使ったワークを子どもや若者、年齢の高い方など、さまざまな年代の方と経験したいと思います。そして、それぞれが考える未来へ残したいもの(風景でもいいし、カタチにないものでもいいし)をお互いに出し合えればと思います。
子どもの思うもの、大人の思うもの、それぞれにお互いの言葉を聞きあい、安心して対話ができる場でできれば、きっと朽木の大切にしたいものが見えてくる気がします。
報告は、たかしま市民協働交流センター 坂下でした。
今年度の取り組みについては、『朽木の「ゑびす顔で笑翁会」で「生活にかかる移動」についてお聞きしました』でご紹介しています。
子どもも若者も大人も一緒に、朽木のこれまで、今、これからを話すために、朽木の昔の写真を入り口にしたいと思いました。
「朽木村志」(発行:朽木村教育委員会)、「朽木村史」(発行:高島市)が作成されたときに、朽木の暮らしや村の様子を写した昔の写真がたくさん集められたそうです。
高島市所有の朽木の昔の写真を使って、さまざまな世代の方、地域の方、移住してこられた方などなどと昔の風景や暮らしや祭りを知り、現在に残っているもの、残っていないものに気づき、今の風景や暮らしをふりかえり、未来に残していきたいものやことについて考える機会を持ちたいと考えています。
6月14日の夜は、多くの人と体験する前に、運営メンバーや地域の方と一緒に体験会をして、どんなワークショップなのか、またどんな仕掛けをすると世代がつながりやすくなるのか、など意見を出し合う場を持つことにしました。
今回のワークを進めていただいた総合地球環境学研究所の鎌谷かおるさんです。
朽木に何度も来られて、古い写真が撮影された場所や年代を地域の70代以上の方にヒアリングし、情報を集めてこられました。
「古い写真は、その当時、撮影された人が残したいと思った風景や場面です。暮らしていた人の視点や今はもう見ることのできない当時の様子を見ることができます。私たちは、過去の経験を活かしながら生きています。過去を知ることから、未来を考える機会になればと思います。」と古い写真を使ったワークの目的をお話されました。
実際に地域のさまざまな人とワークショップをする時は、3回に分けて実施したいと考えています。
1回目は、比較的に誰もが見ても分かりやすい古写真を見て、今の同じような場所や場面の写真と比べ、朽木の中で変化したものについて話し合います。
2回目は、古写真の撮影された場所を実際に訪ね、写真を撮ってきます。その場所で感じたことなどを話し合います。
3回目は、今、朽木にあるものや風景で残したいと思うものの写真を撮ってきてもらいます。なぜそれを未来に伝えたいのかを話し合います。
さて、いよいよ写真を見て行きました。
約50年前の小学校の写真では、その小学校に通っておられた方から当時の学校や周囲の様子などをお聞きしました。
さらに古い、木造校舎だったときの写真も紹介されました。
旧郵便局の今の写真と昔の写真を比較したり、朽木支所の今の写真と昔の支所の写真を見たり、昔の診療所写真などもありました。当時の様子を知っている人は、懐かしい風景に話が広がっていました。
昭和28年の台風13号や昭和34年の伊勢湾台風で被害にあった朽木市場地域の写真などもありました。
次のワークは、グループに分かれて古い写真について、どこで、いつ頃、撮影されたのか、またどんなまちの様子だったのかを話し合いました。
昭和56年の国体があった頃の農協前の風景では、通りににぎやかな万国旗が飾られていました。
昭和50年代の丸八百貨店の近くの風景では、今は閉店されている時計店が写っています。
昭和38年の豪雪の風景は、今ではめったに見られないほどの積雪がありました。
昭和40年代の蔵が並ぶ風景の写真では、昔はホタルがたくさん飛んでいたというお話が出ていました。
昔の山神橋の写真を見ると、木造のとても細い橋で、車は通れなかったようです。大水で何度か流れたというお話でした。
60代の方にとっては、みなさん懐かしい写真に、当時の様子や「誰の家だね」「今はもう無いね」など話が出ていました。
私は、大津のまちなかで生まれ育ったので、朽木の風景を見ながら子どもの頃のまちの風景を思い出していました。考えると、40年くらいでずいぶん風景が変わってしまったな~と思います。
最後の写真は、もう無くなってしまったものの写真でした。
○マンガン鉱の採掘場所の写真でした。
昭和30年代まで盛んにマンガンの採掘が行われていたそうです。
マンガンはマンガン電池や合金の材料に使うそうですが、昭和25年頃が最盛期で、高島でもたくさん産出されていたそうです。京都や滋賀で産出されていたマンガンは量も多く、良質だったそうです。第二次世界大戦の頃は京都、滋賀辺りにも300箇所くらい採掘する場所があり、朽木では40箇所くらい古川、雲洞谷、木地原、岩瀬などにあったとのことです。
○安曇川で木材を流している写真では、筏で流している写真や川岸に大量の木材が積まれている写真がありました。
今と比べると安曇川の水量がかなり多いです。雪の量も多かったそうです。流れてくる木材を止める堰を設けて、木材を積み上げている写真もありました。大きな産業だったんですね。
○繊維を取るために麻を蒸している風景もありました。種まき、収穫、繊維を取るなどの作業は女性の仕事だったそうです。
○荒川分校の風景もたくさんありました。
雪の風景、子ども達が遊ぶ様子もありました。集合写真や遠足の写真では、そこに写っている人が参加者の中におられました。川で泳ぐ子どもたちの風景もありました。バットやミットを誇らしげに持っている子ども達の集合写真では、表情がとてもよかったです。
知っている顔を見つけて盛り上がってました。
体験会への感想など。
知っている写真なので、楽しかったが、中学生などは楽しめるのだろうか?という質問がありました。
中学生の場合は、今の写真から昔に遡るように見せていくそうです。
子どもたちに見せるのは、学校の行事など身近な写真がいいだろうという意見もありました。
今はデジカメで気楽にどこでも写真を撮りますが、昔は写真の現像やプリントも近くに店が無くてたいへんだったこともあり、1枚を撮る思いは、とても力が入っていと思います。学校行事や風景を残して来た人の思いが残っている気がしました。
また、20年前の写真でも、古写真と言えるそうです。中学生や小学生にとっては生まれる前の風景ですから。その頃の風景と今の風景との変化なども十分に古い写真のワークとして使えるそうです。
資料としては昭和60年代の写真が少ないそうです。この頃、ご家庭でも写真が撮られるようになり、それぞれの家にはあるそうですが、資料としてはあまり無いそうです。時代の変化をつなぐ写真を探しておられるとのことでした。
子どもたちにとっては、馴染みのない昔の写真ですが、昔の生活や行事を地域の人に話してもらい、子どもたちの心に少しでも記憶が残ることが必要と言われてました。
世代をつなぐための仕掛けとして、古い写真を使ったワークを子どもや若者、年齢の高い方など、さまざまな年代の方と経験したいと思います。そして、それぞれが考える未来へ残したいもの(風景でもいいし、カタチにないものでもいいし)をお互いに出し合えればと思います。
子どもの思うもの、大人の思うもの、それぞれにお互いの言葉を聞きあい、安心して対話ができる場でできれば、きっと朽木の大切にしたいものが見えてくる気がします。
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Posted by たかしま市民協働交流センター at 16:11
│たかしま・未来・円卓会議報告