NPO法人こやだいらの訪問と朽木の外出支援を考える会
2016年06月30日
朽木のみんなと円卓会議をともに進めている朽木住民福祉協議会では、毎年視察旅行を実施しているそうです。
平成27年1月22日、朽木で課題となっている高齢者の移動についてお話を聞こうと、徳島県のNPO法人こやだいらを訪問されるということで、同行させていただきました。
徳島県美馬市木屋平は、人口約700人、高齢化率55%以上、山間地に集落が散在している地域です。
バスでどんどん山間部へ入っていきました。途中、山の上に家と畑がところどころに見えてきました。あの傾斜地に集落があり、道が通じているようです。

山の上に家があります。参加者一同、朽木より奥地だ・・・と感じてました。

木屋平総合支所に到着。支所の横には無人のお野菜販売コーナーがありました。近くには小さなお店や郵便局、警察署などがあり、中心地のようです。
支所の2階にNPO法人こやだいらの事務所があります。

NPO法人こやだいら 理事長 阿部義則さんからお話をお聞きしました。

NPO法人こやだいらは、平成19年設立。会員約340名。
住民の約半数が会員
ですね。
事業は、①過疎地有償運送、②高齢者生活支援、③農林業作業支援(草刈、ハウス修理、収穫)、④環境整備、⑤防災活動、⑥自然保護、⑦地域文化や祭りの継承などをしています。
収入は、会費収入(年会費1,000円)と事業収益(過疎地有償運送、農作業支援、生活支援)で運営されており、年間約50万円の収入だそうです。
過疎地有償運送は、1km130円で、病院やお買い物の待機料も設定されてます。農作業などは1時間900円。サービス利用料は、作業者に85%、法人に15%が支払われます。組織を継続する仕組みですね。
事務局は、理事10名で運営されており、月、水、金の午前中、運送や農作業の予約を受け付け、作業者のコーディネートをしているそうです。原則予約制ですが、当日対応することもあるとのことでした。事務局はボランティアで運営されているそうです。このコーディネートの役割が一番気を使う大変なところだと思います。
行政の補助金は使わず、黒字経営で来られていると言われてました。行政の補助に頼らず、地域住民が自立的、継続的に支え合うことをめざして組織を作ってこられました。
支える側、支えられる側、どちらも会員で、会員の相互扶助で運営されています。
ちょっと地域で仕事をして収入でき、地域の人も自分も喜ぶという仕組みです。地域を支え、仕組みを回す小さな仕事(コミュニティビジネス)が持続可能な運営には欠かせないですね。
理事長の阿部さんは、元役場職員さんでした。木屋平総合支所長を退職後、木屋平地域の高齢者の移動、生活の課題に取り組んで来られました。
平成17年、行政がタクシー会社に委託していた高齢者の診療所への移動サービスを廃止しました。地域の人々は有償移送検討委員会を立ち上げ、移送だけでなくこれからの木屋平について検討を始めたそうです。
検討会メンバーが、各自治会の人が集まる場に出向き、昔の暮らし、今の暮らしなどを聞き取り、その内容を整理、取り組むべき事業をまとめられたそうです。丁寧な聞き取りと話し合いの結果を具現化してこられました。
過疎地有償運送はNPO法人として、行政が設置する地域の移送サービス事業の運営協議会で承認を受け、運輸支局で許可を受け、運転者は一定の研修を受けて運営されています。現在45名の運営者がおられるそうです。
自家用車を使いますので、事故の場合は個人の任意保険で対応するそうです。事故対応マニュアルを作って対応しておられるそうですが、これまで事故は無いとのことでした。みなさんお互いに気をつけて運転されているのだと思います。いつくもハードルを越えてこられ、今の仕組みを作って来られたと思います。
この有償運送によって、日頃から診療所へ行きやすくなり、定期健診などにも通われるようになった効果か、救急患者が減ったそうです。医療費の削減にもなっていますね。
今後は、一人暮らしの方の食生活をとおして健康づくりをしていきたいと言われてました。
NPOの活動をとおして、人々の交流が増え、地域が元気になっているそうです。
「発想の転換ですね。便利わるいことがいいんですよ。」と阿部さんの言葉が印象的でした。
NPO法人こやだいらの設立経緯と活動については、下記のURLにPDFで掲載されてます。
http://www.mlit.go.jp/pri/kouenkai/syousai/pdf/b-141029_2.pdf (9MB)
あっという間の2時間でした。
難しい局面もあったと思いますが、覚悟を決めた方の強さが伝わってきました。
ホテルへ向かうバスの中では、朽木に帰ったらまずはこの話を共有しようと、話が尽きませんでした。
翌日は、祖谷のかずら橋を訪ねました。

金刀比羅宮を参拝して帰路につきました。

2月末、朽木住民福祉協議会主催で、朽木地域のボランティア連絡会が開かれ、朽木地域の中で、診療所への移動に困っている方の現状について共有されました。

バスや介護タクシーなど行政や制度による移動サービスはありますが、どうしてもそのサービスの隙間で診療所へ向かうことに難しさが生じている人がいるそうです。歩いて行ける距離だからこその困った状態があることを知りました。
ボランティアで移送サービスをしている他市の取り組み事例などを聞きながら、朽木の現状はどうなっているのか情報を出し合いました。
ボランティアグループで買い物の移動支援をしておられたり、個人的に、買い物先で見かけたら声かけて乗り合わせていたり、支え合いの気持ちで移動を支えておられる具体的な話が出てました。しかし、「今は、自分が運転できるので、声かけて乗り合わせできるが、あと10年か15年したら、運転できなくなり、その時に誰に乗せてもらうのか・・・そこに不安を感じる」という声もありました。
6月に入り、朽木送迎支援検討会議が開かれました。

4月から5月の1ヶ月間、朽木診療所で通院手段をお一人づつ聞き取りされたそうです。今、困っている方や今後に不安を抱えている方など説明がありました。
東近江市、甲賀市の市民による送迎支援グループの取り組み事例も紹介がありました。保険対応、送迎の範囲、対象者などについて、それぞれルールを決めておられます。やはり、地域の中で困っておられる方の姿が見えてきて、なんとかしようと、研修や検討を重ねて実施してこられたそうです。
実際に運営しようと思うと、事故への対応、対象者や移送の範囲などのルール決め、運転者の確保、運転者と利用者のコーディネート、事務局運営の方法など、課題はたくさんあります。そこに不安の声もありましたが、朽木地域には必要な仕組みであり、実施する方向で準備を始めようということになりました。
関心のある方に呼びかけ、現状を知っていただき、一緒に進める仲間を募ることになりました。
ぜひご参加ください。
朽木診療所への通院手段に困っている人が増えてきました。
外出支援ボランティア募集

診療所への通院手段は、徒歩、バス、自家用車と様々ですが、高齢に伴い自力で通院することが困難になってきている方が増えてきました。困っている方に、手を差し伸べられるように仕組みを考え、活動できるように考えています。たくさんのご参加よろしくお願いします。
日時 平成28年7月20日(水)10:00~12:00
場所 朽木ふれあいセンター
内容 外出支援ボランティアについて
申込&問い合わせ先
朽木の外出支援を考える会
(朽木住民福祉協議会・生活支援ボランティアでんでん虫、高島市、高島市社会福祉協議会)
TEL 0740-38-2607
朽木住民福祉協議会事務局(高島市社会福祉協議会 宮田)
今後も、朽木の外出支援についてお伝えしていきたいと思います。
報告は、たかしま市民協働交流センター 坂下でした。
平成27年1月22日、朽木で課題となっている高齢者の移動についてお話を聞こうと、徳島県のNPO法人こやだいらを訪問されるということで、同行させていただきました。
徳島県美馬市木屋平は、人口約700人、高齢化率55%以上、山間地に集落が散在している地域です。
バスでどんどん山間部へ入っていきました。途中、山の上に家と畑がところどころに見えてきました。あの傾斜地に集落があり、道が通じているようです。

山の上に家があります。参加者一同、朽木より奥地だ・・・と感じてました。

木屋平総合支所に到着。支所の横には無人のお野菜販売コーナーがありました。近くには小さなお店や郵便局、警察署などがあり、中心地のようです。
支所の2階にNPO法人こやだいらの事務所があります。
NPO法人こやだいら 理事長 阿部義則さんからお話をお聞きしました。

NPO法人こやだいらは、平成19年設立。会員約340名。
住民の約半数が会員

事業は、①過疎地有償運送、②高齢者生活支援、③農林業作業支援(草刈、ハウス修理、収穫)、④環境整備、⑤防災活動、⑥自然保護、⑦地域文化や祭りの継承などをしています。
収入は、会費収入(年会費1,000円)と事業収益(過疎地有償運送、農作業支援、生活支援)で運営されており、年間約50万円の収入だそうです。
過疎地有償運送は、1km130円で、病院やお買い物の待機料も設定されてます。農作業などは1時間900円。サービス利用料は、作業者に85%、法人に15%が支払われます。組織を継続する仕組みですね。

事務局は、理事10名で運営されており、月、水、金の午前中、運送や農作業の予約を受け付け、作業者のコーディネートをしているそうです。原則予約制ですが、当日対応することもあるとのことでした。事務局はボランティアで運営されているそうです。このコーディネートの役割が一番気を使う大変なところだと思います。
行政の補助金は使わず、黒字経営で来られていると言われてました。行政の補助に頼らず、地域住民が自立的、継続的に支え合うことをめざして組織を作ってこられました。
支える側、支えられる側、どちらも会員で、会員の相互扶助で運営されています。
ちょっと地域で仕事をして収入でき、地域の人も自分も喜ぶという仕組みです。地域を支え、仕組みを回す小さな仕事(コミュニティビジネス)が持続可能な運営には欠かせないですね。
理事長の阿部さんは、元役場職員さんでした。木屋平総合支所長を退職後、木屋平地域の高齢者の移動、生活の課題に取り組んで来られました。
平成17年、行政がタクシー会社に委託していた高齢者の診療所への移動サービスを廃止しました。地域の人々は有償移送検討委員会を立ち上げ、移送だけでなくこれからの木屋平について検討を始めたそうです。
検討会メンバーが、各自治会の人が集まる場に出向き、昔の暮らし、今の暮らしなどを聞き取り、その内容を整理、取り組むべき事業をまとめられたそうです。丁寧な聞き取りと話し合いの結果を具現化してこられました。
過疎地有償運送はNPO法人として、行政が設置する地域の移送サービス事業の運営協議会で承認を受け、運輸支局で許可を受け、運転者は一定の研修を受けて運営されています。現在45名の運営者がおられるそうです。
自家用車を使いますので、事故の場合は個人の任意保険で対応するそうです。事故対応マニュアルを作って対応しておられるそうですが、これまで事故は無いとのことでした。みなさんお互いに気をつけて運転されているのだと思います。いつくもハードルを越えてこられ、今の仕組みを作って来られたと思います。
この有償運送によって、日頃から診療所へ行きやすくなり、定期健診などにも通われるようになった効果か、救急患者が減ったそうです。医療費の削減にもなっていますね。

今後は、一人暮らしの方の食生活をとおして健康づくりをしていきたいと言われてました。
NPOの活動をとおして、人々の交流が増え、地域が元気になっているそうです。
「発想の転換ですね。便利わるいことがいいんですよ。」と阿部さんの言葉が印象的でした。
NPO法人こやだいらの設立経緯と活動については、下記のURLにPDFで掲載されてます。
http://www.mlit.go.jp/pri/kouenkai/syousai/pdf/b-141029_2.pdf (9MB)
あっという間の2時間でした。
難しい局面もあったと思いますが、覚悟を決めた方の強さが伝わってきました。
ホテルへ向かうバスの中では、朽木に帰ったらまずはこの話を共有しようと、話が尽きませんでした。
翌日は、祖谷のかずら橋を訪ねました。
金刀比羅宮を参拝して帰路につきました。
2月末、朽木住民福祉協議会主催で、朽木地域のボランティア連絡会が開かれ、朽木地域の中で、診療所への移動に困っている方の現状について共有されました。

バスや介護タクシーなど行政や制度による移動サービスはありますが、どうしてもそのサービスの隙間で診療所へ向かうことに難しさが生じている人がいるそうです。歩いて行ける距離だからこその困った状態があることを知りました。
ボランティアで移送サービスをしている他市の取り組み事例などを聞きながら、朽木の現状はどうなっているのか情報を出し合いました。
ボランティアグループで買い物の移動支援をしておられたり、個人的に、買い物先で見かけたら声かけて乗り合わせていたり、支え合いの気持ちで移動を支えておられる具体的な話が出てました。しかし、「今は、自分が運転できるので、声かけて乗り合わせできるが、あと10年か15年したら、運転できなくなり、その時に誰に乗せてもらうのか・・・そこに不安を感じる」という声もありました。
6月に入り、朽木送迎支援検討会議が開かれました。

4月から5月の1ヶ月間、朽木診療所で通院手段をお一人づつ聞き取りされたそうです。今、困っている方や今後に不安を抱えている方など説明がありました。
東近江市、甲賀市の市民による送迎支援グループの取り組み事例も紹介がありました。保険対応、送迎の範囲、対象者などについて、それぞれルールを決めておられます。やはり、地域の中で困っておられる方の姿が見えてきて、なんとかしようと、研修や検討を重ねて実施してこられたそうです。
実際に運営しようと思うと、事故への対応、対象者や移送の範囲などのルール決め、運転者の確保、運転者と利用者のコーディネート、事務局運営の方法など、課題はたくさんあります。そこに不安の声もありましたが、朽木地域には必要な仕組みであり、実施する方向で準備を始めようということになりました。
関心のある方に呼びかけ、現状を知っていただき、一緒に進める仲間を募ることになりました。
ぜひご参加ください。
朽木診療所への通院手段に困っている人が増えてきました。
外出支援ボランティア募集

診療所への通院手段は、徒歩、バス、自家用車と様々ですが、高齢に伴い自力で通院することが困難になってきている方が増えてきました。困っている方に、手を差し伸べられるように仕組みを考え、活動できるように考えています。たくさんのご参加よろしくお願いします。
日時 平成28年7月20日(水)10:00~12:00
場所 朽木ふれあいセンター
内容 外出支援ボランティアについて
申込&問い合わせ先
朽木の外出支援を考える会
(朽木住民福祉協議会・生活支援ボランティアでんでん虫、高島市、高島市社会福祉協議会)
TEL 0740-38-2607
朽木住民福祉協議会事務局(高島市社会福祉協議会 宮田)
今後も、朽木の外出支援についてお伝えしていきたいと思います。
報告は、たかしま市民協働交流センター 坂下でした。
2024年、新年のごあいさつ
予約投稿検証用投稿
2023年、新年のごあいさつ
【!】 市民活動情報誌「おむすび・たかしま」は、PDF版もご用意しています
【テスト】 Googleスライドを組み込んだ記事 【テストです】
【10/30(土)・31(日)開催】 「たかしまの森へ行こう!」プロジェクト 炭焼き体験会【炭焼き】
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Posted by たかしま市民協働交流センター at 16:02
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