【報告】朽木中学3年生「朽木の未来を考える授業」2日目

たかしま市民協働交流センター

2019年03月13日 16:14


 卒業前の朽木中学3年生と朽木の未来を考える授業をさせていただきました。
 朽木中学は、卒業後ほとんどの生徒が地域外へ通学し、地域に関る機会が減ってしまいます。中学生が故郷の未来を考える授業の中で、故郷に残したい価値や地域資源に気づく機会にしてほしいと思いました。また、中学生が考えた故郷の未来について、朽木地域のみなさんに伝えたいと考えました。

 1月24日は「朽木で無くなってほしくないこと、無くなると残念だと思うこと」について哲学対話をしました。
 報告はこちらをご覧ください。(リンクする)

 1月31日は、哲学対話で話された内容を整理しながら、30年後の朽木にあってほしい暮らしやものやことについてグループでまとめていきました。


 まとめ方は、○○を残す(目的の)ために、○○がある(といい:手段)を考えて整理していきました。
例えば、
●自分以外の人も自分のことのように目を向けて手をかけられるような人の暖かさ。
を残すために・・・
・地域ごとにある小さな祭り(があるといい)
(理由)集落のなかでご飯を食べるとかは、大切。

例えば、
●朽木の木、自然
を残すために・・・
・小中学校での自然とかかわる時間の授業(があるといい)
(具体的には)どんぐりの苗を植えた授業が心に残っている。

 30年後の朽木にどのようなことを残したいのか(目的)、そのための手段はなにか。という視点でまとめていきました。まとめながら、さらに必要な手段を付け加えていきました。

 各グループで整理した図にタイトルを付けて発表しました。


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「朽木の未来」
●近所や地域の方のかかわり方を残したい
●自分以外の人も自分のことのように目を向けて手をかけられるような人の暖かさ
を残すために・・・
・野菜のおすそわけがうれしい(つけもの、しし肉)
・家に近所の人がいる→安心 いろんな話しができる
・お手伝いする(雪どけ、草刈、畑、たんぼなど)
・「寄り合い処くっつき」を残す
「野菜のおすそ分けをする」「近所の人が家を訪ねる」「近所でお手伝いする」ことがあるとよい。

●地域ごとにある小さな祭り
●鯖・美・庵祭りとかいろいろな祭り(桜祭り、スポーツカーニバル、文化祭)
 理由:自分の存在を感じられる スポーツカーニバルとか集落のメンバーとして
を残すために・・・
・若い人が受け継ぐ
・祭りの時に帰ってくる
・友達のいる地域の祭りに行く

●小中学校で自然とかかわる時間の授業
 理由:どんぐり苗を植えた授業が心に残っている。
     人生で経験できないことができる(木を植える)
     普段、見られない景色を見られる(チャレンジトレイル)
●丸八百貨店
 理由:小さい頃からおばあちゃんとよく行っている。
     昔は学校帰りに寄っていた(おやつを買ったり)
を残すために・・・
・生徒数を維持する
・朽木の良さを発信する
・2階をBARにする
・図書館、生協にする


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「朽木を良くするために」
●良い環境のアピール
●朽木の自然との関わりを深くする
を残すために・・・
・朽木のよさを取り入れた校舎にする。(朽木の木を使う)

●企業を増やす、林業に関わる
●若者を増やす
を残すために・・・
・企業とコラボ
・地区の事業を増やす 

●便利にする
ために・・・
・自動販売機を各地区に設ける
・バスの本数を増やす

●会話を増やす
ために・・・
・地区内にある小さな祭り
・地区の事業を増やす


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「いつまでも人が暮らせる環境」
●保育園、小学校、中学校が残っている。
そのために・・・
・自由な暮らしができる(大声出しても怒られない、畑や田んぼができる)
・お店はなんでも配達可能なお店
・保育園は、遅くまで子どもを見てくれる

●住んでいる集落が残っている。
そのために・・・
・鯖・美・庵祭りとかいろいろな祭り
・近所/地域の方との関わり
・介護の仕事

●朽木の木・自然が残っている。
そのために・・・
・森の面倒を見る仕事(林業、観光)
・小中学校での自然とかかわる時間の授業

●人とのふれあい
を残すために・・・
・コーラス、歌のある地域
・みんなで集まってご飯を食べる時間をつくる
・地域ごとにある小さな祭り(人が来てくれるような祭り)
・丸八百貨店

●自分以外の人も自分のことのように目を向けて手をかけられるような人の暖かさ
を残すために・・・
・お互いに必要なものをあげたり、もらったりする関係をつくる


 発表を聞きながら、中学3年生が朽木地域で暮してきた中で、何を大切だと感じているのかが見えてきた気がしました。地域の方々に聞いていただきたいと思いました。

 この授業は4時間で終了しましたが、今日、故郷の将来について考えたこと、自分たちが残してほしいと思った大切なものやことについて話したことが、みなさんの心に残っていくことを願っています。
(報告:坂下)

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