たかしま市民協働交流センターでは、平成27年から朽木のみんなと円卓会議に取り組んできました。
過疎高齢化が進む朽木地域で、世代や立場を越えて、若者も高齢の方も男性も女性も一緒に地域の課題や価値について話をし、一人ひとりができることに気づき、ともに取り組むきっかけとなる機会を作りたいと、朽木住民福祉協議会とともに地域の人々の対話の場づくりをしてきました。
これまでの取組は、
朽木のみんなと円卓会議をご覧ください。(別ウインドウで開きます)
※朽木のみんなと円卓会議は、琵琶湖環境科学研究センターの方、総合地球環境学研究所の方他のご協力で進めています。
今年は、卒業前の朽木中学3年生と朽木の未来を考える授業をさせていただきました。
朽木中学は、卒業後ほとんどの生徒が地域外へ通学し、地域に関る機会が減ってしまいます。中学生が故郷の未来を考える授業の中で、故郷に残したい価値や地域資源に気づく機会にしてほしいと思いました。また、中学生が考えた故郷の未来について、朽木地域のみなさんに伝えたいと考えました。
授業のスケジュール
1月24日(木)5時間目、6時間目
哲学対話
・朽木で無くなってほしくないこと、無くなると残念だと思うこと
・朽木の方に聞いてみる「30年後、こんな朽木であってほしい」
朽木住民福祉協議会の方、森林公園くつきの森の方、地域の子育てママの集まり
「きりかぶの会」の方に来ていただき、一緒に対話しました。
1月31日(木)3時間目、4時間目
グループワーク
・30年後の朽木にこんな暮らしがあるといい
・グループ発表
授業のスケジュールと朽木の人口推計、一年前の朽木の未来へつなぐ物語づくりについて説明しました。
哲学対話
哲学対話は、対話をとおして、分からないことや問題に気づくこと、一緒に考えること、自分の言葉で語ること、そしてお互いに耳を傾けることを大切にしていきます。
安心して対話をするためのルールです。
☆朽木地域での哲学対話の取り組みは
こちらをご覧ください。(別ウインドウで開きます)
5時間目の哲学対話で話されたこと
朽木でなくなったら残念だと思うこと、なくなって欲しくないこと
■保育園、小学校、中学校
(理由)自分が育ったから。
■住んでいる集落
■朽木の木、自然
(理由)好きだから。
(心配事)人が減ると、森も面倒みる人がいなくなって困るなあ。
■丸八百貨店
(理由)小さいころからおばあちゃんとよく行っている。
■地域ごとにある小さな祭り
(理由)集落のなかでご飯を食べるとかは、大切。
■鯖・美・庵祭りとかいろいろな祭り(桜祭り、スポーツカーニバル、文化祭)
(理由1)ボランティアしていて楽しい、好きだ。普段会わない人と会う機会。
(理由2)お店とか手伝うことでお店の人とも仲良くなれる。働く体験。
■コーラス、歌のある地域
■小中学校での自然とかかわる時間の授業
(具体的には)どんぐりの苗を植えた授業が心に残っている。
■近所/地域の方とのかかわり
(理由)高齢者の人とかかわるときは新しい知識がもらえることがあるので。
■自分以外の人も自分のことのように目を向けて手をかけられるような人の暖かさ
対話の中では、学校で教えてほしいことについても出てきてました。
■社会に出たときに役立つようなこと。社会に出たときに恥ずかしくないような常識を教えて欲しい。マナーとか知らないと怒られることだってあると思う。
■人が亡くなっときに、どんなふうにお葬式出したらいいのか、といったこと。
6時間目は、地域の方から30年後の朽木地域についてお話を聞き、哲学対話を続けました。
朽木住民福祉協議会の方のお話
誰かが困っている時、道を歩いている時、お互いに声をかけられる地域であってほしい。おせっかいかもしれないけれど、何か困っているようだ、暮らしにくそうだと思われる人がいたら、声をかけあえる気持ちのこもった人間関係のある地域であってほしいと思う。
森林公園くつきの森の方のお話
自然は人が関ると優しくなります。宮本常一さんは「自然はさびしい。しかし人の手が加わると暖かくなる」と言われた。集落も森林も人がかかわり、心地よい風景であればいい。
子育てママの集まり「きりかぶの会」の方お話
今は朽木の誰もが顔を知っている人のつながりを大切だと感じるし、ずっと残していきたい。朽木中学に通っていた頃ははとても窮屈に感じていた。ママになって、「自分」になれる時間の大切さを感じた。訪問看護の仕事を始めて、人のつながり、自然のよさを感じることができるようになった。
1.朽木にずっと住んでいたい?それとも、朽木を出たい?
◆ずっと住んでいたい
・みんな、ほとんどの人が知っている人。他の所に行ったときにそういう関係が一回切れてしまうとちょっと後が怖いし、まだこの関係を続けたい。
◆出たい
・一回出て、新しい知識とかを入れたい。
・何をするのにも、遠くへ行かないといけないし、それにお金もかかってくるので、もっと、コンビニとかが近くにあるところ。都会に住みたい。
・朽木の山奥の集落が好きだけれど、山奥すぎる。もうちょっと気楽にいろんな所に行ける方がいいかな。でも、朽木くらいの人数が好き。
・高校とか考えるときに、ここに住んでいるから、どこの高校にするにも距離を考えないといけない場面が多かった。子どもができた時とかは、そういう事情であきらめたくない。とはいえ、それなりに自然のある都市部に近いところに住みたいなと思う。
◆一度出たいけど、いつか戻ってきたい
・今の自分が、何ができるかというのを試したい。
・いろんな所(都会、日本各地、海外)に行って、いろんな経験をしたりしたい。それでもやっぱり朽木は大切。
・一回朽木じゃない所に出て、あー朽木ってやっぱりいいとこやなって思ったら、もう一回帰って来たいなって思う。
・人生で一度は、都会とか行って、すぐにお買い物とか、近所のお店で買い物する暮らしをしてみたい、けどそれは一度経験したいだけ。
・朽木の人間関係はめちゃめちゃいいと思うが、朽木じゃないところにも実際行って住んで、新しい人間関係を作っていきたい。また朽木に戻ってきたときに、今までと同じ近い人間関係だったら一番いい。
・(物騒なので)朽木から出たら殺されてしまうかも、と思ってしまう。
2.将来帰ってきて、朽木で暮らしていくためにどんな仕事をしていたい?
・高齢者が多い。だから、介護の仕事とか。そのために都会に行って、資格を取って、またここに戻ってきて、普通に実家暮らしがしたい。
3.朽木のどんないいところが見えてきた?
・情報が回るのが速い。誰かが亡くなったとか。逆にいいことも回ったりすると思う。
それぞれに将来のことを考えて、対話した時間となりました。
1月31日は、対話したことを整理して、30年後の朽木にあるといい暮らしや風景について考えました。
こちらをご覧ください(別ウインドウで開きます)
(報告:坂下)