7月5日(土)に今年度
第1回 たかしま・未来・円卓会議 をします。
今年度は、地域で小さな仕事づくり、コミュニティビジネスをベースに、
高島の豊かな森林を多様な活用や切り口で見ることで、
地域課題の解決につながる小さな事業の種を見出したいと考えています。
そこで、高島市内で取り組まれている事例として、
朽木ゴールドもみじ(朽木猟友会 鹿肉加工所管理組合)のお話を
松葉 誠さんにお聞きしました。
平成20年にシカ肉加工場として、朽木猟友会が中心となって
運営がはじめられました。
ここでは高島市内で捕獲されたシカ肉を加工販売しておられます。
大阪出身の松葉さんは、地元で調理を学び、
将来は田舎に住みたいと考えておられ、
平成22年に朽木へ移り住んで来られました。
もともと、飲食業だけではなく、食品加工業にも興味があったそうです。
平成25年度は、朽木ゴールドもみじ(朽木猟友会 鹿肉加工所管理組合)として
194頭のシカを加工。年間20~30頭は増えていっているとのこと。
高島市内で毎年約4000頭くらいのシカが捕獲されており、
シカによる農産物被害は、10年前に比べると、随分と減ったようですが
駆除されたシカの活用は進んでいないのが現状です。
また、シカの個体数増加は、天敵だったオオカミが100年以上前に絶滅したのに加え、
近年の暖冬であまり雪が降らず、例年なら自然淘汰されるはずのシカが越冬出来たり、
狩猟者も高齢化で減少傾向にあることも、原因として考えられるそうです。
現在、この加工場で捌かれたシカ肉はジビエ料理として、
伝統的な調理法があるイタリアンのレストランに卸すことが多く、
その他、市内の施設販売やCOCO壱番屋でシカ肉カレーとしても販売されています。
まだまだ、出口(販路)を探しているそうですが
マーケットをしっかりと意識した加工品のアイデアや試作など、
日夜、研究開発を精力的にこなしているお話を伺って
経営感覚が備わった方なのだと、改めて感じさせていただきました。
こういう方が、地域に入ると強いのだろうと思った次第です。
松葉さんは、「もっとシカ肉が、普通に食べられる社会にしたい」と
シカ肉料理やシカ肉の取扱店マップの構想やブランド化へのアイデアについても
話してくださいました。
シカ肉の活用は、森林の管理や地域資源の活用、ソーシャル・ビジネスなど
様々な側面から、高島市の未来を語るうえで、
大きな可能性を秘めた分野であることは間違いないと思います。
今年度の円卓会議を通じて、こうした獣害対策としてのシカ肉活用という範疇を超えた、
食文化としての視点や、「命をいただく」という子どもや若い世代の大人の
食育にも繋がるのではないかという期待を込めて、
7月5日には、他の事例ともあわせてご紹介いたします。
関心のある方々のご参加お待ちしております!