平成27年度 たかしま・未来・円卓会議 たかしま森林資源活用プロジェクト④開催報告

2016年03月23日

平成27年度 たかしま・未来・円卓会議 たかしま森林資源活用プロジェクト④開催報告

平成27年度 たかしま・未来・円卓会義 
たかしま森林資源活用プロジェクト④


先日、2月1日に以下の内容で、第4回勉強会を開催しました。

① くつきの森施設見学
② くつきの森の取組みとこれから(仮)
③ くつき木の駅プロジェクトの取組み


たかしま市民協働交流センターでは、平成25年度より、
さまざまな主体が協働で課題解決に取り組むまちづくりを目指し、
「たかしま・未来・円卓会議」を開催しています。

これまでの円卓会議の報告はこちら。

今年度は、【朽木地域】という地縁型の円卓会議と
この【森林資源活用】というテーマ型の二つに絞って、
円卓会議をすすめています。

今回は第4回として、これまでの勉強会を踏まえ、
NPO法人麻生里山センターの若林氏より、「朽木やまね館」の施設案内と
【くつきの森の取組みとこれから】と題した事業の紹介をしていただきました。
その後、くつき木の駅実行委員会による【くつき木の駅PJの取組み】を
お聞きしました。

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まずはじめに、NPO法人麻生里山センター 副代表の若林 譲さんに、
くつきの森の施設見学と合わせて、センターの活動について話していただきました。

◆NPO法人麻生里山センターについて

<設立目的>
◆地域の森林がもつ多面的、公益的機能を次世代に引き継ぐため、
 百年先を見据えた森づくりの推進
◆その活用により地域の活性化を図る。
→地域と密接な関係にある「くつきの森」の保全・活用のため設立

・くつきの森の中にある3つある建物のうち、宿泊機能も残っていた「やまね館」を
中心の施設としており、一通り施設を巡りながら案内をしていただいた。
・高島市より指定管理を受け、これまで、10年間運営を行ってきた。
→今年度、更に5年の指定管理を受けることとなった。

<施設概要>
◆ 面積  146ha 
◆ 標高  200~400m 
◆ 気候  日本海沿岸型気候(積雪は1mを超える)
◆ 施設  やまね館 ・ 自然研修センター ・ 森林環境研究所
◆ 遊歩道 13km

<くつきの森のあゆみ>
◆ 里山として利用された時代(1960年(昭和40年)頃)
◆ 放置された時代
◆ 朝日の森時代(1978年(昭和53年)~2003年(平成15年))
◆ 朝日の森からくつきの森へ(2004年(平成16年)12月~ )
◆ くつきの森時代(2006年(平成18年)4月~現在)

  2006年3月 麻生里山センターを設立
  2006年4月 指定管理者として管理運営を開始
  2007年4月 森林環境学習やまのこ事業の拠点施設
  2008年4月 森林セラピー基地の認定を受ける


<主な活動内容>
1) 森林公園くつきの森の指定管理業務
2) 森林環境学習やまのこ事業の受託
3) 高島森林体験学校事業の受託

<森の現状と課題>
・松枯れ、ナラ枯れ、シカの食害 ・下層植生の減少 ・山ヒルの影響(森林セラピー)
・施設、機械等の老朽化 ・森内の資源の有効活用

<多くの人が楽しめる森林公園をめざして>
◆ 美しい里山を取り戻す 
◆ めりはりのある里山管理
◆ 里山のモノ・環境・文化を生かす 
◆ 情報と人

◆ポイント
・30年経って、施設の維持管理など大変だが、資金は全然ないので、指定管理料などで収入と支出のバランスをとって運営。お客さんに来てもらう施設なので、修繕・改修したいところはたくさんある。
→6ヶ月間しか宿泊利用できないので、通年活用できる施設にしようとすると、それだけで1千万円くらいかかってくる。

・以前はキャンプ場があったが、平成10年くらいから、シカの増加と合わせて山ヒルも増加するなど、条件が悪くなり閉鎖した。

・森林整備に関して、くつきの森全体のことを考えると、もっと日常的に人が来てくれると良い。今は年4回、「未来の森づくり」事業として実施しているほか、週1回木曜日に実施している。

・ある地域に拠点ができても、その地域でがっつりと組んでしまって、他所からは入りにくかったりする。高島に住んで6年になるが、今回、くつきの森に初めて来させてもらって、もったいないと思った。

平成27年度 たかしま・未来・円卓会議 たかしま森林資源活用プロジェクト④開催報告

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続いて、くつき木の駅実行委員会 委員長 小林 二郎さんと
事務局 三田村 勝さんから「くつき木の駅プロジェクトの取組み」を
紹介していただきました。

◆くつき木の駅プロジェクトの取組み

<概要>
◆ 平成26年6月設立 
◆ 会員数 20名(構成:男性13名・女性3名) 
◆ 協力店 4店舗
◆ 地域通貨「やまびこ券」の発行流通
→軽トラ1杯で5000円分の地域通貨「やまびこ券」を発行

・もともと奈良県の丹羽健司氏(元農水省)が、根底に「人づくり」という想いを込めて、発案。
全国各地に活動が広がっており(昨年も全国で8駅加入)、H26年6月にくつき木の駅実行委員会が立ち上がった。「山が元気 人も元気 山の資源を 宝に」を合言葉に活動。

・朽木の実行委員会が、間伐材を地域通貨で買い取る仕組み。
昨年は45t(軽トラ1台半で約1tなので、軽トラ約67台分)の間伐材を集荷。
→軽トラ1杯を搬入してもらって、5000円のやまびこ券(500円×10枚)を発行。
→資源循環と高齢者の元気づくりのため、薪割りをして、薪販売
→軽トラ1杯で15000円(購入額の3倍)で販売。

・将来的には森が美しく、バイオマス発電の燃料が供給できれば良いと考えている。

・滋賀県内には、甲賀と朽木の2ヶ所しかなく歴史も浅い。全国の大きなところでは、バイオマスやペレットまでやっているところもある。

・鴨川が決壊した台風18号で山が荒れたときに、丁度、全国木の駅サミットが名古屋で開催されていて、そこに参加していた。丹羽さんの話を聞いた後、台風であちこち倒れた木を見て、「これを資源にしよう」とくつき木の駅を立ち上げたいと思った。

・地域通貨が使えるのは、現在、4店舗。店舗が増えても、流通が把握できないので、どんどん増やすという風には考えていない。

・薪人の祭りなど、年1回イベントも行っている。まずは、多くの方に知ってもらいたいと考えている。

◆ポイント
・行政課題として住民主体で間伐材の利用を進めるというのは、解りきっている話だが、高島市としてのビジョンがあるのかどうなのかを知りたい。

・高島市は、1tの間伐材を山から搬出すると1000円補助しますという程度。乾燥しているもので、軽トラ1台半。補助をもらおうとするとそれなりに大変。直径と長さを測って、記録を出さないといけない。市に現場写真を撮ってもらって・・・などしていると、何をしているのかわからなくなる。行政も組織的には大変なのだと思うが。

・くつき木の駅プロジェクトとして、現在、間伐材の薪の在庫が100tくらいあり、これを完売できる販売先が必要だが、売り先を開拓していかないといけない。朽木温泉に、薪のボイラー施設を入れようという話があったが、とん挫している。設備投資にお金がかかるのと、そうなった場合、木の駅だけでは薪の供給が間に合わなくなる。

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後半の意見交換では、以下のような意見がありました。

◆行政も、商工も観光も含め、多様な人たちが連携する仕組みづくりが必要
・それぞれが点として、課題を持っておられるが、それらが連携することで廻るようなシステムの構築が必要。

・すぐに補助金や助成金という話になるが、今はそんな話は古い。稼ぎ出す仕組みを作らなければいけない。

・仕組みづくりの最初のテコ入れが大事で、そこに行政の力も必要。

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このような勉強会という場をもっているのは、これまで点であった団体がつながって、その連携によって課題解決につながり、それぞれの団体にとってメリットとなる事業ができるのではないかと思って実施しています。そのためにも関係者の方の課題ややりたいこと、目的などを聞いたうえで、信頼関係を築きながら、みんなで考えていければ良いなぁと思っています。

報告は、原田でした。




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Posted by たかしま市民協働交流センター at 11:33 │たかしま・未来・円卓会議報告市民活動情報(高島)